スパイスカレーの旅。そして飯山と南インドの共通点

スパイスカレーの旅。そして飯山と南インドの共通点

インドには行ったことがないけれど、私が思う南インドと飯山の共通点。それは夏が蒸し暑いこと。そして野菜と米が主食。

インドでは地方によって料理に特徴があるそうです。南インドのカレーは野菜中心。暑いから長時間煮込まないらしく、さらっとしたカレー。そして主に米でカレーを食べるとのこと(「ナン」は北インドの料理だそうです)。

移住した長野県飯山市で、いいやまらしい南インド風のカレーを作るのが、今年の目標のひとつだったのですが、先日、温井(ぬくい)にある大応寺で開催された寺子屋カフェイベントで、参加者のみなさんに夏野菜のカレーなどをふるまうことができました。

上の図は絵心が微妙(笑)ですが、下の写真が完成したひと皿です!

カレーは2種類。主に温井の直売所で販売している夏野菜のカレーとサバ缶キーマカレーサバ缶キーマカレー

副菜は、たまねぎ、トマト、オクラの「アチャール」(漬物)、ヨーグルトにきゅうりとトマトやスパイスを入れた「ライタ」、大根とにんじんのピクルス。ごはんはもちろん飯山産。

一つのお皿にすべてを盛り付け、お好みでまぜまぜしながら食べていただきました。

15人分も作るのは、初めてで…

普段スパイスカレーを作る時は、量は多くても4~5人分。15人分も一度に作るのは初めての体験で不安でした…。

実は私、辛いのが苦手で、チリなどの辛いスパイスはほとんど入れないのです。ほとんど辛くない野菜だけのカレーで味が決まるか?
本当に心配でしたが、最後にししとうをバターで炒めたものを投入したことで、コクが出て味がまとまりました。ご参考までに。

消費量は日本一レベルとか。 飯山らしい食材 「サバ缶」のカレーも

サバ缶は昨今、健康食品として注目されていますが、飯山市では昔からサバ缶の消費量が日本一とも言われるほど食べられていて、テレビ番組で特集もされているほど。

飯山のサバ缶料理で有名なのが、春に山で採れる根曲がり竹とサバの水煮缶で作る「たけのこ汁」。根曲がり竹の時期になると、市内のスーパーの入り口付近にサバ缶が山のように積まれていて圧倒されるほど!

ということで、サバ缶は飯山らしい食材なのです。

サバ缶は、温井の直売所でも売っています。飯山市民のソウルフードかも

サバ缶キーマカレーの辛味には青唐辛子を使いました。控えめに入れたのですが、想定以上に辛くなってしまい、参加者の方から青唐辛子ではなくて「ぼたんこしょうで作ってみたら?」と、アドバイスをいただきました。

ぼたんこしょうは信州の伝統野菜に認定されている、ピーマンを丸っこくしたような形のとうがらしです。「辛さの中にも甘みがあるからいいんじゃないか」とのことでした。今度やってみましょう。

また、秋にチャレンジしてみたいのは、飯山の在来品種の里芋「坂井芋」や「常盤ごぼう」の根菜カレー。お肉系だと北信州みゆきポークときのこのカレーもよさそうですね。

食べなれないスパイスの風味にどういう反応があるか心配でしたが、おいしいと言ってもらえて安心しました。

さて、振り返ってみると、スパイスや南インド料理にまつわる数年間の「旅」がありました。ここでまとめておこうと思います。

南インド料理、スパイスとの出会い

スパイスを使ってカレーを作るようになったのは、数年前に東京・代々木で開催されたヨガフェスに行ったのがきっかけでした。この時に南インドカレーの存在を知り、同時にフェスに出店していたオーガニックのスパイス屋さん「エヌ・ハーベスト」でスパイスを買ってみたのです。

インドのカレーというと、コクのあるバターチキンカレーにナンというのが、それまでの私の定番でしたが、どうもそれは北インドの特徴らしい。

南インド料理の特徴は、野菜を中心にしたさらっとしたカレー。ミールスという定食を食べ歩き、スパイスを買い足しては、南インド風なカレーや副菜を自分で作ってみたりしていました。

こちらは長野県飯綱町の南インド料理店「モンマルシメ」のミールス。カレーや副菜を好きなようにまぜまぜして食べます。一口ひとくちがまさに一期一会でインプロビゼーション

漢方に興味があった私は、 スパイスの効能にも奥深さを感じてどんどんはまっていきました。 とはいえ、ひとくち食べて「おいしい!」と思えるカレーを作るのは難しかった。今思うと、スパイスの扱い方もよくわかってなかったのです。

そんなもやもやのブレイクスルーになったのは、2年前(2017年)の夏。長野市のコワーキングスペースで開催された、南インドのカレーを作って食べるイベントでした。

カレーを作るのは、インドで料理を教わってきた経験もあるTさん。ここで、ホールスパイスを油に入れて、弱火でじっくり加熱して香りを引き出す「テンパリング」をはじめて知りました!

まさに百聞は一見に如かず…。積極的に調理の手伝いをしながら、Tさんの手元をじーっと見つめてました。見て盗むってやつですね。その後、Tさんが信濃町のイベントでもカレーを作ると聞いて、「手伝います!」と、キッチンに押しかけました(その節はありがとうございました)。

大阪のスパイスカレーは自由だった

そして昨年(2018年)の夏。雑誌dancyuの特集を見て、大阪でスパイスカレーがブームになっていることを知り、食べに行ってきました。

大阪のスパイスカレーは「自由奔放」でした。中でも印象に残っているのが「ボタニカレー」。大皿には2種類のカレー、そして野菜を使ったカラフルな副菜が何種類も盛り付けられていて圧巻でした!
( …そういえば、野菜の副菜がたくさん出てくる、というのも飯山に似ていますね)

大阪「ボタニカレー」は、副菜がたくさんで女子好み!

カレーはほぼとろみがなくて“しゃばしゃば”しているのに、しっかりとした味わいがあっておいしい。お店の人に聞くと「出汁が決め手なんです。鶏ガラとか使ってますよ」とのこと。出汁ですか!? 無化調なんて言葉も出てきて、まるでラーメンのような世界。

大阪では、日本人が作るネパール、スリランカのカレーなども体験。それぞれにおいしく、本場でカレーを食べたことがないという引け目を感じていた私ですが、「別に行ってなくてもいいか~」と大阪で思わされ、ちょっと自由になりました。

そしてもう一つ。とある料理人の方がおっしゃっていた「料理は人に教えられない。自分で何度も作ってうまくなるしかない」という言葉が心に残っています。

そんな訳で、まだまだ私のスパイスの旅は続きそうです。自分が食べて「おいしい!」と思える自分流のカレーやスパイス料理を作れるように、実践を重ねてみようと思います。

おすすめのスパイス店

  • 西荻窪の「エヌ・ハーベスト」 … オーガニック・スパイスの専門店。スパイス講座(料理教室)も開催しています。
  • 御徒町にある「大津屋」 … アメ横にあるお店に入るには、最初は勇気がいるかも。
  • 大阪の「スパイス堂」 … ネパールのスパイスなどもあります。近所の「ダルバート食堂」では、ネパールの「ダルバート」というワンプレートカレーが食べられます。