雪の下でひと冬を過ごしたスノーキャロットを収穫

雪の下でひと冬を過ごしたスノーキャロットを収穫
2019/04/12

長野県北部。雪国飯山の長い冬を半年ほど雪下で過ごし、春の雪解けを待って収穫する飯山産スノーキャロット。収穫作業を取材に行ってきました。

スノーキャロットを栽培している「ファーム鍋倉」は飯山市の北部、なべくら高原の近くの羽広山(はびろやま)集落にあります。

4月中旬になり、市街地や道路には雪を見なくなりましたが、羽広山の畑にはこんな感じで雪がたっぷり残っていました。

除雪機である程度雪を飛ばして、そこから手作業で雪をどけながら、1本ずつニンジンを掘っていきます。

除雪機でやりすぎると、ニンジンの頭が切れてしまうので要注意! だそうです。

1本ずつていねいに。手で掘って収穫します

ニンジンが植わっている場所は、葉と茎が目じるしです。これはかなりわかりやすい一例

細長いピックや、先が平らになっているパイプで、ニンジンを傷つけないように周囲を掘りながら、一本ずつていねいに収穫します。

ちなみに普通のにんじんは機械で一気に収穫できるそうです。スノーキャロットは、収穫により手間がかかっているんですね。

掘りたてのスノーキャロットのお味は…

日持ちしにくいというスノーキャロット。掘りたてほやほやを、畑で食べてみたかったんです。泥を雪で拭いて(笑)かじります! 

シャキシャキした食感。そして何よりもみずみずしい! やがてさわやかな甘さが口の中に広がりました。リンゴを食べているみたいです。

約半年間雪の下にいた間は農薬を使っていないため、スノーキャロットはほぼ無農薬でもあるとのこと。

ニンジンを洗って選別するのは専用機が活躍

今回収穫したスノーキャロット。ソリに乗せて雪上を運びます。

作業場にあるニンジン専用洗い機に投入。上部から水がかけられ、底面にあるローラー状のブラシが回転すると、みるみるスノーキャロットの泥が落ちていきます。

たくさんのスノーキャロットがごろごろと回転しながらきれいになっていく様子を眺めていると、なぜだか無心になれました。ということで、動画でご覧ください。

つやつや。きれいになりました!

選別機にかけられ、重さにより3LからSサイズに仕分けられます。

スノーキャロットの誕生は偶然でした

ファーム鍋倉の江口さんご家族。江口宗晴さん(写真左)は、38年前からスノーキャロットの栽培をはじめました。

秋に収穫し忘れたニンジンを雪解け後の畑で見つけ、食べてみたら甘くてびっくり! という偶然の出来事が、スノーキャロットの栽培をはじめたきかっけだったそうです。

現在でも品種を変えたりしながら、おいしいスノーキャロットを作るために試行錯誤しています。

「そのまんまスノーキャロットジュース」も人気!

長い間雪の下にいたスノーキャロット。収穫されてからはデリケートで日持ちしません。そのため、全国的に流通することはなく、限られた期間に限られた場所でしか味わうことができない、希少な野菜です。

そんなスノーキャロットを、たくさんの人にいつでもどこでも味わってもらえるようにと江口さんが作ったのが「そのまんまスノーキャロットジュース」。

原材料はスノーキャロットと、ほんの少しのレモン果汁のみ。ぐっと凝縮された甘さは、そのまま飲んでおいしいのはもちろんのこと、料理につかうのもありです。牛乳を入れてかんたんに味付けしたら、おいしいポタージュスープができました。

飯山市内の道の駅で、スノーキャロットが味わえます

飯山市の国道117号沿いにある「道の駅花の駅千曲川」では、ご当地ソフトとして、スノーキャロットジュースで作ったソフトクリームが食べられます。ビン詰めのジュースも販売されています。

併設された農産物直売所では、毎年4月中旬から5月中旬ごろまで、飯山産のスノーキャロットが販売されています。さわやかな甘さをぜひ味わってみてください。