長野県下高井農林高校の学生が講師となって、農業に興味のある飯山市民に野菜づくりを教えるプログラム「百姓塾」。
2019年5月から始まって約半年。11月に最後の収穫と野菜の販売会を行い、収穫した野菜をみんなで料理して食べる収穫祭も実施して、修了となりました。




商店街の広場で、野菜の販売実習
収穫して販売用に束ねたり、袋詰めしたサトイモや野沢菜、大根などを持ち込み、飯山市内の本町商店街ぶらり広場で販売を行いました。
事前に防災無線で告知したおかげか、ご近所の方々が販売開始時間の前から集まってきて、サトイモがあっという間に売り切れてしまいました!

野菜はすべて売り切れとはなりませんでしたが、残ったものは「道の駅の農産物直売所での値段と比較すると、ちょっと高かったかな?」と、思っていたものだったりして、値段のつけ方も勉強になりました。
商店街の飲食店で白菜を大量にお買い上げいただくといったうれしいハプニングもあり、販売会は無事終了。塾生からは、家庭菜園で野菜は作っているけれど「実際に販売をしてみたことは貴重な体験」という声がありました。
みんなで作ってみんなで食べる、楽しい収穫祭
翌週の11月18日には「収穫祭」を開催。3班に分かれて豚汁を作りました。
農林高校で作られたサトイモや大根、ニンジン、白菜、長ネギ。そして豚肉は、地元いいやま産のブランド豚「北信州みゆきポーク」を用意。

おもしろいことに、同じ材料を使っても、3班でそれぞれ味が異なりました。あとから聞いてみると、豚肉を炒めてから鍋に入れたり、味噌をこしたり、こさなかったりと、調理に微妙な差があったのです。作った人それぞれの“家庭の味”が再現されていたようですね。

ごはんは農林高校で米作りに取り組んでいる学生によるコシヒカリ。国内外最大のお米のコンクール「米・食味分析鑑定コンクール」の農業高校部門、通称「お米甲子園」に出品して約200校中上位15校に残ったおいしいコシヒカリです(後日、惜しくも金賞は逃したようですが、特別優秀賞を受賞したそうです)。

下高井農林高校の校長から塾生へ、百姓塾の修了証が手渡されました。修了証は長野県の伝統工芸品の和紙「内山紙」に一枚一枚手描きされたもの。いろいろな野菜の絵も描かれていて、みなさん感激されていました!

高校生が講師、生徒が大人ということもあり、みんなが手探り状態で始まった百姓塾。ぎこちなさを徐々に乗り越え打ち解けて、収穫祭の調理実習で和気あいあいと大盛り上がりでした。
塾生の感想をご紹介
最後に参加した塾生の感想をご紹介します。野菜づくりの経験がある人もない人もいました。
「実際に自分で種をまいたり、くわを持って作業をしたり。はじめてで新鮮だった」
「自分がかかわった野菜。大切に食べました。おいしかった!」
「農林高校生や参加者と交流しながら野菜づくりを学ぶことができた」
「高校生にいろいろ教わることが多かった」
「高校生と一緒に、おしゃべりしながら野菜を作ることが楽しかった!」と、野菜づくりを通しての交流が楽しかったという声もたくさんありました。
「予定通りに収穫できなかったり、大雨で作業ができなかったり、 天候に左右された。自然の難しさを実感した」という方も。
百姓塾がない時も、高校生が畑の管理を細かくやってくれていたことにみなさん感謝されていました!
「農林高校の施設や畑で実習したり、実際に販売してみるという体験ができたことが貴重だった」
確かにそういう機会は普段あまりないですね。
「農林高校生に教わったことを、来年の春から自分の家庭菜園で実践してみたい!」と言う方もいらっしゃいました。やがて農産物直売所で販売をしたりする塾生も出てくるかもしれません。