春のアスパラガスが終わりに近づき、6月になるとズッキーニの季節がはじまります。
「見た目がきゅうりに似ている」と、よく言われていますが、太いきゅうりと並べてみたら確かに似ている! 写真で見ると色つやがそっくり。

飯山でズッキーニが作られ始めたのは30年ほど前ということで、けっこう昔からなんですね。調べてみると、長野県はズッキーニの2大産地のひとつでした。知らなかった!
信濃平の田んぼが広がる小境(こざかい)で、ズッキーニを作っている清水治夫さんの畑におじゃましてきました。

定年退職してから農業をはじめた清水さん。ゆるやかな斜面にある畑には、すでに収穫がはじまったズッキーニが900株植わっていました。
5月中旬に苗を植えて約1か月ちょっとでこんな大きさに。
近寄ってみると実の先には黄色い花がついています。ズッキーニはウリ科でカボチャの仲間。そういえば、かぼちゃの花に似ています。
「ズッキーニには雌花と雄花があって、実ができるのが雌花。細い茎が雄花です」(写真の右端の花が雄花)

「ズッキーニは自家受粉しにくいので、花が開く早朝、4時から毎日受粉作業をしてます」と清水さん。比較的栽培しやすい野菜と言われていますが、結構手間がかかるんですね。
ちなみに葉っぱが部分的に白いのは、「グリーンボート2号」という品種の特徴だそうです。
ズッキーニの収穫はやさしくね
ズッキーニの皮は薄くてデリケート。爪がちょっとあたるだけでも傷がついてしまうので、手袋をはめてやさしく取り扱います。
清水さんが収穫に使っているツールは、ちょっと大きめな文房具のカッター。汚れた刃が交換しやすいのがいいのだとか。

つやつやのズッキーニが大切そうに並べられていました。

ちなみに、ひとつの株で収穫できる期間は30〜40日で、13本収穫が採算が取れる本数。品質が良いものが採れるのは6月上旬から7月あたりだそうですよ。
ズッキーニはどう食べる?

ズッキーニ作りは今年で5年目という清水さん。いつもどんなふうに食べてますか?
「妻はよく薄切りにして浅漬けや粕漬けにしてますね。好きなのはベーコンで塩コショウ炒めかな」
ということで、いただいた「はねだし」(サイズが合わなかったり、キズがあったりで出荷できないもの)で作ってみました、ズッキーニのベーコン塩こしょう炒め。スパイスでカレー風味をプラス!

ズッキーニは軽く焼き目がつくまで、あまりいじらずに炒めるのが水分を流出させないポイント。
油と相性がいいと言われるズッキーニですが、その理由は、含まれている栄養素のβカロチンが油と一緒に食べると吸収されやすくなるからのようですね。
もう1品。ピーラーで縦に薄くむいて、さっとゆでたものを甘酢に漬け、オイル漬けのシラスとマリネに。

遠方の方にも、採れたてのズッキーニのみずみずしさとやわらかさを、おうちで味わっていただきたい!
飯山で採れたズッキーニが、例えば都内のスーパーに並ぶのは早くて3〜4日後になるとのことですが、長野県産のズッキーニを見かけたら、飯山産のかな? と思い出して食べてみてくださいね!
